この花は? シラネ! シラネアオイ

6月、自然観察会で白神に行った折「シラネアオイ」が咲いていた。一部の参加者の方には説明したがあらためて特長を書いてみる。

登山道でこの花を見つけると誰もが歓声を上げる。
上品な淡紫の7センチもある花びらが疲れをいやしてくれるからだ。和名は、日光の白根山に多く、花がタチアオイ(立葵)に似ているので命名された。高山植物に「シラネ・・・」という名が多いのには理由があるがここでは割愛する。

シラネアオイは植物分類学的に見ても特異な位置を占める。この花はかつて、キンポウゲ科に属すとされていたが、不自然だったため、新たにシラネアオイ科が設けられた。(古い図鑑はキンポウゲ科となっている。)今のところシラネアオイ科の植物はシラネアオイ1種だけということになる。
花びらのつけ根を裏から見るとガクに当たる部分がない。つまり、花びらに見えるのがガクで、花びらがないのだ。花の中心部を良く見ると多数のオシベと2本のメシベがある。メシベが2本だから実は2個なるのだが、2個の実は癒着(ゆちゃく)しておもしろい形の実が1個なる。花はよく知られているが、実を見る人は少ないだろうから是非見ていただきたい。

MEMO
シラネアオイ:シラネアオイ科シラネアオイ属

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科1属1種の日本特産種